MusicaLife

ミュージカル英語を和訳してます♡

ミュージカルCATS 英語歌詞和訳⑥ グリザベラ / Grizabella: The Glamour Cat

Grizabella
Remark the Cat who hesitates towards you
In the light of the door which opens on her like a grin
見てご覧よ、その猫を
薄笑いを浮かべる様に細く開いたドアから漏れる光の中を
戸惑いながらこちらに近づいて来る

 

You see the border of her coat is torn and stained with sand
And you see the corner of her eye twist like a crooked pin
外套の縁は擦り切れて砂に汚れ
目尻は歪んだピンの様に引きつっている

 

Demeter
She haunted many a low resort
Near the grimy road of Tottenham Court
She flitted about the no man's land
From the Rising Sun to the Friend at Hand
あの女は下品な盛り場をうろついていた
トッテナム・コートの汚い小路のそば
朝日亭から朋輩亭の間をフラフラと

 

And the postman sighed as he scratched his head
You'd really have thought she'd ought to be dead
And who would ever suppose that that...
Was Grizabella the Glamour Cat?
郵便配達人は頭を掻きながらこう呟いた
「もうあの女は死んだんだと思っていたよ」
そう、誰が思うだろうか
グリザベラが魅力的な猫だったとは

 

ALL
Grizabella the Glamour Cat
Grizabella the Glamour Cat
Who would ever suppose that that
Was Grizabella the Glamour Cat?
美しい猫、 グリザベラ
魅力的な猫、グリザベラ
誰が想像出来るだろうか
グリザベラが魅力的な猫だったとは

 

解説

物語の鍵となる娼婦猫、グリザベラの登場シーンです。ラムタムタガーに熱狂する場にふらりと現れる彼女ですが、猫達は嫌悪を露わに逃げ去ります。そんな彼女を嘲笑うかの様に、雌猫ボンバルリーナとディミータがこの曲を歌い上げます。

女性の美しさを表現する英単語

Glamourは魅力とか美しいといった意味ですが、単にキレイというよりは、どこか肉感的な美しさをイメージさせる言葉。日本語読みをするとグラマーですが、日本語でいうグラマーは主にふくよかな胸を指すのに対して、英語のGlamourはあくまでも美しさに重点が置かれています。

美しい、綺麗、カワイイ!など、英語にも女性の美しさを表現する単語が数多くあります。以下に代表的なものをちょっとご紹介

beautiful
「美人」「綺麗」
もう外見も内面も全部ひっくるめて美しい時に使います。人にも物にも景色にも使える便利な単語。日本語で「美人だね」と言う時と感覚的には一緒です。

cute
「カワイイ」
もう、そのまんま日本語の「カワイイ!」です。見た目や雰囲気が小さくて愛らしい人や物に対して使います。子供を褒める言葉にもよく使いますし、子供らしい純粋さがある大人を褒める時にも使います。男性アイドルなど、中性的で少年っぽい魅力がある男性に対してもよく使います。

pretty
「可愛い」「キレイ」
cuteもprettyも「可愛い」と訳される事が多いですが、cuteは仕草や内面も含めた可愛らしさなのに対して、prettyは見た目の可愛らしさ重視。より外見を褒めたい時にはprettyを使います。どっちかというと「キレイ」に近い言葉なのです。またcuteと違い男性に対してはほとんど使いません。
ちなみに綺麗は綺麗でもbeautifulより若干ニュアンスが弱く、beautifulは「綺麗」でprettyは「キレイ」といった感じです。

charming
「愛嬌がある」「魅力的な」
外見的な美しさというよりも、その人の雰囲気や振る舞いに魅了される。何だか素敵な人だな。そんな時に使います。内面重視の褒め言葉です。
ちなみにcharmには「呪文」とか「魔力」という意味があります。charmingは、まるで魔法にかけられたかの様にうっとりとした…から転じて「魅力的な」という意味合いが生まれます。

sweet
「優しい」「素敵」
「甘い」という意味を真っ先に想起しますが、人や物に対しても使います。人に対しては「優しい」という意味でよく利用されますが、物に対して使う時は「素敵」というニュアンスになります。
最近はもっと定義が緩くなり、来週海に行かない?と言われて"Sweet!"と返すなど、「いいね」程度の軽い相づちとしても使われます。

lovely
「素敵」
イギリス英語でよく使われる表現です。"She is lovely."と使う場合は「愛らしくて素敵」といった意味になります。
このlovelyですが、英国では日常のあらゆるシーンで口癖のようによく使われています。買い物で店員に薦められた商品が気に入ったら"Lovely!"ですし、美味しいご飯を口にしたら"Lovely!"。素敵な写真が撮れたら"Lovely!"。「いいね」「大丈夫」など、物にも人にも時間にもあらゆる物事を褒め、肯定する時に使われる様です。 

gorgeous
「華がある」

海外のセレブリティーの様に、豪華で重厚感があってエレガントな美しさ。日本語では物に対して使いますが、もともと英語では人に対しても使用する単語です。

 

"Would"は単なる"willの過去形"じゃない

Grizabella the Glamour Catと歌われている通り、グリザベラもかつては美しく魅力ある猫でした。 

歌詞の最後の一文は、重複や倒置を直すと"Who would ever suppose that Grizabella was the Glamour Cat?"。文頭のWho wouldは「誰が~するものか(いやしないだろう)」という反語表現です。この文章を丁寧に訳すと「誰が想像できるだろうか(いや想像できないだろう)グリザベラが美しい猫だったという事を」となります。

 

wouldはwillの過去形としてご記憶の方が多いと思いますが、ネイティブが会話中でwouldを使う時はそちらの意味合いではなく、ほとんどは【仮定・想像の話】というニュアンスで使われます。

たとえばこんな文章

If I were you, I would start looking for another job.
もし私があなただったら、別の仕事を探し始めるだろう

私があなただったら、という想像の話をしているのですね。ちなみにこの様な文章のことを、英文法的には『仮定法』と呼んでいます。要するに、wouldが文中に出てきたら「ああ、これは仮定の話なんだな」と気付く目印にしてOKということです。

wouldには他にも過去の習慣(よく~したものだ)という意味でも使われますが、詳細は英語の教科書の「助動詞」とか「仮定法」「時制」といったパートに譲りたいと思います。

 

英文法を学ぶ時は「関正生」先生の授業がオススメです

個人的な話…元々自分はニュアンスで英語を捉えるタイプ過ぎて、英文法が非常に苦手でした。分かりやすいと評判のあらゆる英文法の教科書にも挫折し続けてきましたが、三十路を過ぎた頃に「高校英語からやり直そう!」と一念発起し、某有名予備校の人気講師、関正生先生の授業を受講。これがもうびっくりする程分かりやすく、感動すら覚えました。wouldの話も関先生の受け売りです。

社会人の方でもスタディサプリというサービスで安く手軽に授業が受けられるので、英文法苦手な方には是非おすすめしたいです。月額980円で授業受け放題&教科書ダウンロードし放題なので、教材としてもお買い得。自分が高校生の頃にこのサービスがあったら良かったのにと思わずにはいられません。

ただこのサービスのデメリットとしては、基本的に大学受験生向けのサービスなので「合格に向かって頑張ろう!」「頑張れ受験生!」というメッセージ性が強い所です。ちょっとそれは手遅れかも…という物悲しい気分になります。

また基本的に動画で授業を受講する形式なので、参考書で勉強するより時間がかかりますし場所を選びます(スタバやマクドナルドのフリーWi-Fiだと頻繁にフリーズ)。

 

関正生先生はNHKの英語講座に出演したり、著作も多く出しておられるので、そちらで学ぶのもいいかもしれません。「世界一わかりやすい英文法の授業」という本も書店でよく見かけます。本当にわかりやすいですよ!

まるで業者の回し者の様になっていますが、英文法にアレルギーがある方はぜひ参考になさってみて下さい笑

 

英単語メモ

remark: ~に気付く、~だと分かる
hesitate: 躊躇する、ためらう
grin: にやっと笑う
border: 縁
tear: 引き裂く、破る。過去分詞torn
stain: しみをつける、着色する
corner of one eye: 目尻
twist: ゆがむ
crook: 曲げる
haunt (幽霊などが)出没する
low 下等な、すさんだ
resort たまり場
grimy 汚い
Tottenham Court
flit 軽やかに飛び回る
no man's land 中間地帯
the Rising Sun 酒場の名前「ライジング・サン」。朝日亭と訳しています
the Friend at Hand 酒場の名前「フレンド・アット・ハンド」。朋輩亭と訳しています
as ~しながら
scratch ひっかく
ought to do 当然~のはずである
suppose 思う
Glamour: 魅力