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ミュージカル英語を和訳してます♡

ミュージカルCATS 英語歌詞和訳⑦ バストファージョーンズ

Ladies (Jennyanydots, Jellylorum, Bombalurina)
Bustopher Jones is not skin and bones
In fact, he's remarkably fat
He doesn't haunt pubs, he has eight or nine clubs
For he's the St. James's Street Cat!
バストファージョーンズは痩せぎすなんかじゃ無い
実の所、極めて太っちょ
彼がパブをうろつく事なんか無い
だって八つか九つものクラブを所有してるから
何たってセント・ジェームス通りの猫だもの

 

He's the cat we all greet as he walks down the street
In his coat of fastidious black
No commonplace mousers have such well-cut trousers
Or such an impeccable back
彼が上品な黒い外套を着て大通りを歩くと
誰もが挨拶をするの
あんなに仕立ての良いズボンを履いて
完璧にキマった後ろ姿の猫はいないわ

 

In the whole of St. James's the smartest of names is
The name of this Brummell of cats
And we're all of us proud to be nodded or bowed to
By Bustopher Jones in white spats
セント・ジェームスで一番ハイカラな名前
それはこの洒落者の名前
我々は皆誇らしく思うのよ、会釈やお辞儀をされたなら
あの真っ白な靴当てを付けたバストファージョーンズにね

 

Bustopher
My visits are occasional to the Senior Educational
And it is against the rules
For any one cat to belong both to that
And the Joint Superior Schools
「高等教育」への訪問は偶然の事だったのだよ
規律に反しているからね
どんな猫も掛け持ちは許されぬし
私は「優等学校」に所属しているのだから

 

For a similar reason when game is in season
I'm found not at Fox's but Blimp's
I am frequently seen at the gay Stage and Screen
Which is famous for winkles and shrimps
同じ理由で狩猟の季節には
「キツネ」ではなく「飛行船」にいますよ
それによく「楽しい芸能界」を訪れるのだ
あそこは貝とエビで有名だからね

 

In the season of venison, I give my ben'son
To the Pothunter's succulent bones
And just before noon's not a moment too soon
To drop in for a drink at the Drones
鹿肉が美味しい季節には
ジューシーな骨を出す 「賞金稼ぎ」の常連だし
それに正午前はちっとも早い時間じゃないのだよ
「雄蜜蜂」に立ち寄って一杯飲むのにはね

 

When I'm seen in a hurry, there's probably curry
At the Siamese or at the Glutton
If I look full of gloom, then I've lunched at the Tomb
On cabbage, rice pudding, and mutton
急いでいる様に見えたらきっとカレーを食べるのさ
「シャム」か「大食漢」で
もし憂鬱そうな顔の時は「墓場」で昼食を取ったのだ
キャベツとライスプディングと羊肉の

 

ALL
In the whole of St. James's is the smartest of names
Is the name of this Brummel of cats
And we're all of us proud to be nodded or bowed to
By Bustopher Jones in white
Bustopher Jones in white
Bustopher Jones in white spats
セント・ジェームスで一番ハイカラな名前
それはこの洒落者の名前
我々は皆誇らしく思うのよ、会釈やお辞儀をされたなら
あの真っ白な靴当てを付けたバストファージョーンズにね

 

Jennyanydots
So, much in this way passes Bustopher's day
At one club or another he's found
It can be no surprise that under our eyes
He has grown unmistakably round
He's a twenty-five pounder -
こんな調子で彼の一日は過ぎていく
どこかのクラブかまた別のクラブへ
だから全く不思議じゃ無いの、傍から見ても
彼は見間違えようもなくまん丸になっていく
体重は25ポンド

 

Bustopher
- or I am a bounder!
- よく弾みますよ!

 

Jennyanydots
And he's putting on weight everyday
毎日増えていくの

 

Bustopher
But I'm so well preserved because I've observed
All my life a routine, and I'd say
I am still in my prime, I shall last out me time
しかし私はとても健康そのもの
日々規則正しい生活を遵守しているからね
だからまだ男盛りと言えるさ、そして間違いなくこれからも

 

Jennyanydots
That's the word from the stoutest of cats
それがあの太っちょ猫の誓いの言葉!

 

ALL
It must and it shall be spring in Pall Mall
While Bustopher Jones wears white
Bustopher Jones wears white
Bustopher Jones wears white spats
絶対必ずこれからも、パルマル街の栄華は続くよ
あのバストファージョーンズが真っ白な靴当てを付けている間は

 

Bustopher
Toodle Pip
さよなら!

 

 

解説

イギリスの社交クラブ

バストファーは一流の企業や商店が建ち並ぶ事で知られるセントジェームス通りの猫。社交クラブ街として有名なパルマル街に「優等学校」「キツネ」 「飛行船」など数々のクラブを設立し、毎日クラブをはしごしては美食に耽る太っちょ猫です(バストファーの台詞中の括弧表記は全てクラブ名です)。

ここで言うクラブとはもちろんディスコの事では無く、会員制の社交クラブのこと。趣味や嗜好の同じ仲間同士がクラブ・ハウスと呼ばれる邸宅に集まり社交を楽しみます。クラブ・ハウスには使用人が仕え、まるで我が家の様に食事や飲酒をすることも出来ます。

もともとは誰でも出入り自由な形式だったそうですが、産業革命以降に台頭した中産階級市民の間でクラブ活動が流行し、クラブ・ハウスと呼ばれる邸宅に集まる形式が多くなりました。19世紀に書かれた小説、シャーロックホームズの中にも、シャーロックが「ディオゲネス・クラブ」というクラブで寛ぐ様子が描かれています。

シャーロックが所属する社交クラブは人嫌いの紳士の為に創立されたので、会員はクラブ・ハウス内で無言を貫かなくてはなりません。この様に各クラブには様々な規則や趣向が存在し、政治家や知識層向け、競馬のオーナーしか入れないクラブや農家向けのクラブなど種類も様々。この歌の主人公バストファーが設立したのは美食が趣向のクラブの様で、クラブ名と共に様々な食べ物が紹介されています。

 

 

バストファーのクラブ紹介は皮肉がいっぱい

バストファーが挙げるクラブ名や食べ物名の多くが、ちょっと皮肉の効いた掛詞(ダブル・ミーニング)になっているのもポイントです。 

例えば以下の歌詞 

Bustopher
For a similar reason when game is in season
I'm found not at Fox's but Blimp's
I am frequently seen at the gay Stage and Screen
Which is famous for winkles and shrimps
同じ理由で狩猟の季節には
「キツネ」ではなく「飛行船」にいますよ
それによく「楽しい芸能界」を訪れるのだ
あそこはエビで有名だからね

ここでfoxは「キツネ」という意味の他に「卑怯者」。blimpは元々は「飛行船」という意味ですが、英国俗語で「太った人」という意味があります。またgayという形容詞は「楽しい、陽気な」といった意味の他に「放埒な、奔放な」という意味が含まれており、またwinkleは「貝」と「時代遅れな人」、shrimpは「小エビ」の他に「取るに足らない小物」という意味があります。それを活かすと、以下の日本語訳になります。

Bustopher
For a similar reason when game is in season
I'm found not at Fox's but Blimp's
I am frequently seen at the gay Stage and Screen
Which is famous for winkles and shrimps

同じ理由で狩猟の季節には
「卑怯者」ではなく「太っちょ」にいますよ
それによく「放蕩な芸能界」を訪れるのだ
あそこは時代遅れな奴取るに足らない奴で有名だからね 

Stageは舞台、Screenは映画なので、Stage and Screenで芸能界と訳しています。芸能界は時代遅れな奴と小物でいっぱい!という歌詞がミュージカルの中で歌われるというところが、すごく皮肉が効いていますね(ある意味イギリスっぽいかも?)

 

また、続けて歌われる次の歌詞にもダブル・ミーニングが含まれています。

Bustopher
In the season of venison, I give my ben'son
To the Pothunter's succulent bones
And just before noon's not a moment too soon
To drop in for a drink at the Drones
鹿肉が美味しい季節には
ジューシーな骨を出す 「賞金稼ぎ」の常連だし
それに正午前はちっとも早い時間じゃないのだよ
「雄蜜蜂」に立ち寄って一杯飲むのにはね

Pothunterのpotには手当たり次第の射撃という意味があり、hunterは猟師。併せてPot hunterでルールを無視して手当たり次第に撃つ「乱猟家」という意味になります。

またDroneは日本語で読むとドローン。近年何かと話題になる小型の無人飛行機もドローンと呼びますが、「オスの蜜蜂」が語源です。蜜蜂はほとんどがメスで構成された超女社会。ほんの少しだけ生まれるオスは女王バチと交尾し子孫を残す為だけに存在し、いつも巣の中でエサを食べてぐうたらしています。そこからDroneには「オスの蜜蜂」という意味の他に「怠け者」という意味があります。

それらの意味を踏まえると、こんな歌詞に変わります。

Bustopher
In the season of venison, I give my ben'son
To the Pothunter's succulent bones
And just before noon's not a moment too soon
To drop in for a drink at the Drones

鹿肉が美味しい季節には
ジューシーな骨を出す 「乱猟家」の常連だし
それに正午前はちっとも早い時間じゃないのだよ
「怠け者」に立ち寄って一杯飲むのにはね

「乱猟家」が狩った鹿の肉を食べて、正午前に一杯ひっかけるのは「怠け者」。後者に至っては言っている事が逆になっていて面白いですね。 

 

英単語メモ

In fact:実のところ
remarkably:際だって、目立って
haunt :よく訪れる
St. James's Street: 一流企業や老舗が集まることで知られる ロンドン中心部の通りの名前
greet:挨拶する
fastidious:細心の注意を払った
commonplace:平凡な
mouser:ネズミを捕る動物
well-cut:仕立ての良い
impeccable:非の打ち所の無い
smart:当世風の、流行の
Brummell: リージェンシー時代にイギリスの社交界で男性ファションの権威とされたジョージ・ブライアン・ブラメルのこと
proud to:~できて光栄だ、~であることを誇りに思う
nod:会釈する
spats:スパッツ。足首を汚れから守るために靴の上から装着する脚絆の様な物で、和製英語で言うところのスパッツとは別物
occasional: 臨時の
senior:最上級の
belong:属する
superior:上級の
similar:類似の
game:狩猟
not A but B:AではなくむしろB
fox:キツネという意味の他に、狡猾な人という意味もある
Blimp:飛行船、(英国俗語で)太った人
gay:陽気な、放蕩な
winkle: タマビキ貝(食用の小さな貝の名前)。また1820年にワシントン・アーヴィングによって書かれた短編小説の中に登場するアメリカ版浦島太郎、リップ・ヴァン・ウィンクルのことを指す。転じて、アメリカ英語では時代遅れの人を意味する
shrimp:エビという意味の他に、取るに足らない者という意味もある
venison:鹿の肉
ben'son:benisonの略?祝福
Pothunter:賞金稼ぎ。またpotは手当たり次第の射撃を意味し、pot hunterで乱猟家という意味もある
succulent:ジューシーな
just before:直前
noon:正午
drop in:ちょっと立ち寄る
drone:(いつも巣にいて働かない)ミツバチの雄、転じて怠け者という意味
In a hurry:急いで
probably:おそらく(80%くらいの高い確率で起こり得る)
Siamese:シャム人、シャム語(シャムはタイ王国の昔の呼び名)
Glutton:大食家
gloom:憂鬱な気分
lunch:昼食を取る
tomb:墓地
mutton:羊肉(子羊の肉はlambと言い単語が異なる)
unmistakably:紛う方無く
round:丸くなった
pounder:(重量が)~ポンドある
twenty-five pounder:25ポンド=約11.3キログラム
bounder:飛んだり跳ねたりするもの
put on weight:体重が増える
preserve:維持する、保つ
observe:遵守する
routine:慣例
prime:全盛、壮年期
shall:必ずそうなる(それが神の意志であるかの様に確実である)。ちなみに歌詞中では"It must and it shall be~"と似た意味の単語を二重に使って「絶対」「必ず」を強調しています
last out my time:損なわれない
word:約束、誓言
stout:恰幅の良い
must:絶対~に違いない(99%確実である)
spring:春、活力
Pall Mall:パルマル街。ロンドンのトラファルガー広場からセントジェームス宮殿に至る街路で、クラブ街として有名
Toodle Pip:英国俗語で「さよなら」や「じゃあね」の意味

 

ミュージカルCATS 英語歌詞和訳⑥ グリザベラ / Grizabella: The Glamour Cat

Grizabella
Remark the Cat who hesitates towards you
In the light of the door which opens on her like a grin
見てご覧よ、その猫を
薄笑いを浮かべる様に細く開いたドアから漏れる光の中を
戸惑いながらこちらに近づいて来る

 

You see the border of her coat is torn and stained with sand
And you see the corner of her eye twist like a crooked pin
外套の縁は擦り切れて砂に汚れ
目尻は歪んだピンの様に引きつっている

 

Demeter
She haunted many a low resort
Near the grimy road of Tottenham Court
She flitted about the no man's land
From the Rising Sun to the Friend at Hand
あの女は下品な盛り場をうろついていた
トッテナム・コートの汚い小路のそば
朝日亭から朋輩亭の間をフラフラと

 

And the postman sighed as he scratched his head
You'd really have thought she'd ought to be dead
And who would ever suppose that that...
Was Grizabella the Glamour Cat?
郵便配達人は頭を掻きながらこう呟いた
「もうあの女は死んだんだと思っていたよ」
そう、誰が思うだろうか
グリザベラが魅力的な猫だったとは

 

ALL
Grizabella the Glamour Cat
Grizabella the Glamour Cat
Who would ever suppose that that
Was Grizabella the Glamour Cat?
美しい猫、 グリザベラ
魅力的な猫、グリザベラ
誰が想像出来るだろうか
グリザベラが魅力的な猫だったとは

 

解説

物語の鍵となる娼婦猫、グリザベラの登場シーンです。ラムタムタガーに熱狂する場にふらりと現れる彼女ですが、猫達は嫌悪を露わに逃げ去ります。そんな彼女を嘲笑うかの様に、雌猫ボンバルリーナとディミータがこの曲を歌い上げます。

女性の美しさを表現する英単語

Glamourは魅力とか美しいといった意味ですが、単にキレイというよりは、どこか肉感的な美しさをイメージさせる言葉。日本語読みをするとグラマーですが、日本語でいうグラマーは主にふくよかな胸を指すのに対して、英語のGlamourはあくまでも美しさに重点が置かれています。

美しい、綺麗、カワイイ!など、英語にも女性の美しさを表現する単語が数多くあります。以下に代表的なものをちょっとご紹介

beautiful
「美人」「綺麗」
もう外見も内面も全部ひっくるめて美しい時に使います。人にも物にも景色にも使える便利な単語。日本語で「美人だね」と言う時と感覚的には一緒です。

cute
「カワイイ」
もう、そのまんま日本語の「カワイイ!」です。見た目や雰囲気が小さくて愛らしい人や物に対して使います。子供を褒める言葉にもよく使いますし、子供らしい純粋さがある大人を褒める時にも使います。男性アイドルなど、中性的で少年っぽい魅力がある男性に対してもよく使います。

pretty
「可愛い」「キレイ」
cuteもprettyも「可愛い」と訳される事が多いですが、cuteは仕草や内面も含めた可愛らしさなのに対して、prettyは見た目の可愛らしさ重視。より外見を褒めたい時にはprettyを使います。どっちかというと「キレイ」に近い言葉なのです。またcuteと違い男性に対してはほとんど使いません。
ちなみに綺麗は綺麗でもbeautifulより若干ニュアンスが弱く、beautifulは「綺麗」でprettyは「キレイ」といった感じです。

charming
「愛嬌がある」「魅力的な」
外見的な美しさというよりも、その人の雰囲気や振る舞いに魅了される。何だか素敵な人だな。そんな時に使います。内面重視の褒め言葉です。
ちなみにcharmには「呪文」とか「魔力」という意味があります。charmingは、まるで魔法にかけられたかの様にうっとりとした…から転じて「魅力的な」という意味合いが生まれます。

sweet
「優しい」「素敵」
「甘い」という意味を真っ先に想起しますが、人や物に対しても使います。人に対しては「優しい」という意味でよく利用されますが、物に対して使う時は「素敵」というニュアンスになります。
最近はもっと定義が緩くなり、来週海に行かない?と言われて"Sweet!"と返すなど、「いいね」程度の軽い相づちとしても使われます。

lovely
「素敵」
イギリス英語でよく使われる表現です。"She is lovely."と使う場合は「愛らしくて素敵」といった意味になります。
このlovelyですが、英国では日常のあらゆるシーンで口癖のようによく使われています。買い物で店員に薦められた商品が気に入ったら"Lovely!"ですし、美味しいご飯を口にしたら"Lovely!"。素敵な写真が撮れたら"Lovely!"。「いいね」「大丈夫」など、物にも人にも時間にもあらゆる物事を褒め、肯定する時に使われる様です。 

gorgeous
「華がある」

海外のセレブリティーの様に、豪華で重厚感があってエレガントな美しさ。日本語では物に対して使いますが、もともと英語では人に対しても使用する単語です。

 

"Would"は単なる"willの過去形"じゃない

Grizabella the Glamour Catと歌われている通り、グリザベラもかつては美しく魅力ある猫でした。 

歌詞の最後の一文は、重複や倒置を直すと"Who would ever suppose that Grizabella was the Glamour Cat?"。文頭のWho wouldは「誰が~するものか(いやしないだろう)」という反語表現です。この文章を丁寧に訳すと「誰が想像できるだろうか(いや想像できないだろう)グリザベラが美しい猫だったという事を」となります。

 

wouldはwillの過去形としてご記憶の方が多いと思いますが、ネイティブが会話中でwouldを使う時はそちらの意味合いではなく、ほとんどは【仮定・想像の話】というニュアンスで使われます。

たとえばこんな文章

If I were you, I would start looking for another job.
もし私があなただったら、別の仕事を探し始めるだろう

私があなただったら、という想像の話をしているのですね。ちなみにこの様な文章のことを、英文法的には『仮定法』と呼んでいます。要するに、wouldが文中に出てきたら「ああ、これは仮定の話なんだな」と気付く目印にしてOKということです。

wouldには他にも過去の習慣(よく~したものだ)という意味でも使われますが、詳細は英語の教科書の「助動詞」とか「仮定法」「時制」といったパートに譲りたいと思います。

 

英文法を学ぶ時は「関正生」先生の授業がオススメです

個人的な話…元々自分はニュアンスで英語を捉えるタイプ過ぎて、英文法が非常に苦手でした。分かりやすいと評判のあらゆる英文法の教科書にも挫折し続けてきましたが、三十路を過ぎた頃に「高校英語からやり直そう!」と一念発起し、某有名予備校の人気講師、関正生先生の授業を受講。これがもうびっくりする程分かりやすく、感動すら覚えました。wouldの話も関先生の受け売りです。

社会人の方でもスタディサプリというサービスで安く手軽に授業が受けられるので、英文法苦手な方には是非おすすめしたいです。月額980円で授業受け放題&教科書ダウンロードし放題なので、教材としてもお買い得。自分が高校生の頃にこのサービスがあったら良かったのにと思わずにはいられません。

ただこのサービスのデメリットとしては、基本的に大学受験生向けのサービスなので「合格に向かって頑張ろう!」「頑張れ受験生!」というメッセージ性が強い所です。ちょっとそれは手遅れかも…という物悲しい気分になります。

また基本的に動画で授業を受講する形式なので、参考書で勉強するより時間がかかりますし場所を選びます(スタバやマクドナルドのフリーWi-Fiだと頻繁にフリーズ)。

 

関正生先生はNHKの英語講座に出演したり、著作も多く出しておられるので、そちらで学ぶのもいいかもしれません。「世界一わかりやすい英文法の授業」という本も書店でよく見かけます。本当にわかりやすいですよ!

まるで業者の回し者の様になっていますが、英文法にアレルギーがある方はぜひ参考になさってみて下さい笑

 

英単語メモ

remark: ~に気付く、~だと分かる
hesitate: 躊躇する、ためらう
grin: にやっと笑う
border: 縁
tear: 引き裂く、破る。過去分詞torn
stain: しみをつける、着色する
corner of one eye: 目尻
twist: ゆがむ
crook: 曲げる
haunt (幽霊などが)出没する
low 下等な、すさんだ
resort たまり場
grimy 汚い
Tottenham Court
flit 軽やかに飛び回る
no man's land 中間地帯
the Rising Sun 酒場の名前「ライジング・サン」。朝日亭と訳しています
the Friend at Hand 酒場の名前「フレンド・アット・ハンド」。朋輩亭と訳しています
as ~しながら
scratch ひっかく
ought to do 当然~のはずである
suppose 思う
Glamour: 魅力

ミュージカルCATS 英語歌詞和訳⑤ラム・タム・タガー / Rum Tum Tugger

Rum Tum Tugger

 

ALL
The Rum Tum Tugger is a curious cat
ラムタムタガーは変な猫

TUGGER
If you offer me pheasant I'd rather have grouse
If you put me in a house I would much prefer a flat
If you put me in a flat then I'd rather have a house
If you set me on a mouse then I only want a rat
If you set me on a rat then I'd rather chase a mouse
キジ肉を貰ったら、ライチョウが欲しくなる
お前んちが一軒家なら、アパートの方が好きだし
お前んちがアパートなら…やっぱり一軒家のがイイな
ネズミをけしかけられても、ドブネズミしか眼中に無いよ
ドブネズミをけしかけられたら…今度はネズミを追っかけるぜ!

ALL
The Rum Tum Tugger is a curious cat
ラムタムタガーは変な猫

TUGGER
And there isn't any call for me to shout it
大声で呼ばれたって行かないよ

ALL
For he will do as he do do
彼はやりたいようにやるだけ

TUGGER
And there's no doing anything about it!
俺をどうする事も出来ないぜ!

 

QUAXO
The Rum Tum Tugger is a terrible bore
ラムタムタガーは凄くつまんない奴さ

TUGGER
When you let me in, then I want to go out
I'm always on the wrong side of every door
And as soon as I'm at home, then I'd like to get about
I like to lie in the bureau drawer
But I make such a fuss if I can't get out
入れられると出たくなる
いつもドアの反対側にいるぜ
帰宅するなり出掛けたい
箪笥の引き出しに入るのが好きさ
でも出られなくなると大騒ぎ!

ALL
The Rum Tum Tugger is a curious cat
ラムタムタガーは変な猫

TUGGER
And it isn't any use for you to doubt it
疑ったって無駄さ

ALL
For he will do as he do do
彼はやりたいようにやるだけ

TUGGER
And there's no doing anything about it!
俺をどうする事も出来ないぜ!

 

BOMBALURINA
The Rum Tum Tugger is a curious beast
ラムタムタガーはセクシーな変わり者

TUGGER
My disobliging ways are a matter of habit
If you offer me fish, then I always want a feast
When there isn't any fish, then I won't eat rabbit
If you offer me cream, then I sniff and sneer
For I only like what I find for myself.. no
So you'll catch me in it right up to my ears
If you put it away on the larder shelf
不親切なのは生まれつきさ
魚を貰ったら、もっとご馳走が欲しくなる
魚が無けりゃ、ウサギなんか食べないよ
クリームを貰ったら、鼻で嗅いであしらうのさ
自分で探した物しか好きじゃないんだ…いらないってば。
だから耳までクリームに突っ込んだ俺を捕まえられるよ
もし食料庫の棚にそれを置いておいたなら!

ALL
The Rum Tum Tugger is artful and knowing
The Rum Tum Tugger doesn't care for a cuddle
ラムタムタガーは狡賢くて聡明
ラムタムタガーは抱っこなんて大嫌い

TUGGER
But I'll leap in your lap in the middle of your sewing
For there's nothing I enjoy like a horrible muddle!
でも膝に飛び乗るぜ、お前の針仕事のど真ん中だ
しっちゃかめっちゃかが最高に好きなのさ!

ALL
The Rum Tum Tugger is a curious cat
The Rum Tum Tugger doesn't care for a cuddle 
The Rum Tum Tugger is a curious cat
ラムタムタガーは変な猫
ラムタムタガーは抱っこなんか大嫌い
ラムタムタガーは変な猫

TUGGER
And there isn't any need for me to spout it
くどくど言わないでくれよ

ALL
For he will do as he do do
彼はやりたいようにやるだけ

TUGGER
And there's no doing anything about...about...about it!
俺をどうする事も出来ないぜ!

 

むずかしい単語・熟語の解説

curious: 不思議な、変な
offer: 提供する
pheasant: キジ
would rather + 動詞: ~よりはむしろ、どちらかと言えば
grouse: ライチョウ
flat: アパートなどの集合住宅
set 人 on~: 人に~をけしかける
call: 呼び出し
shout: 叫ぶ
Do as I do: 自分がするようにする
bore: うんざりさせる人、退屈な人
get about: 歩き回る
bureau: 書き物机
drawer: 引き出し
make a fuss: (つまらないことで)大騒ぎする
beast: ケダモノ、(俗語で)格好いい
disobliging: 不親切な
matter of: (原因となる)事柄
habit: 習性
feast: (手の込んだ)ごちそう
sniff: においをかぐ
sneer: 鼻であしらう
right up to: ~に至るまで全て
put away: しまいこむ
larder: 食料置き場
shelf: 棚
artful: 狡猾な
knowing: 聡明な
not care for: 振り向きもしない
cuddle: 抱擁
leap: 跳ねる
lap: ひざ
sewing: 縫い物
horrible: 恐ろしい、身の毛もよだつ
muddle: 混乱、めちゃくちゃ
spout: とうとうと述べる

 

ひとこと

四季版だと「ツッパリ猫」と呼ばれているラムタムタガーです。常に期待とは逆の行動をとる、とっても天の邪鬼な猫。

何度も出てくるcurious catという単語ですが、curiousは“奇妙な、変な”といった意味の他に“好奇心の強い”という意味もあります。有名な子供向けの絵本「おさるのジョージ」も英語の題名はCurious George。好奇心旺盛でイタズラ好きで、周りを驚かせる変わった奴、といったイメージです。

途中、ボンバルリーナはcurious beastと呼んでいますが、beastは“獣”という意味の他に俗語で“格好いい人”という意味があります。まるで獣の様にセクシーな魅力のある男性、という感じ。

初演時の衣装のモデルはミック・ジャガーだそうでいかにもなロックスター風でしたが、最近のブロードウェイ版ではもっと今風で、流行のEDMとかをやりそうな衣装に変わっています。ツッパってるけど魅力的でセクシーな男性というイメージ像が、この30年で随分変わった様です。

ミュージカルCATS 英語歌詞和訳④ジェニエニドッツ / Old Gumbie Cat

Old Gumbie Cat

I have a Gumbie Cat in mind
Her name is Jennyanydots
Her coat is of the tabby kind with tiger stripes and leopard spots
All day she sits upon the stair or on the steps or on the mat
She sits and sits and sits and sits
And that's what makes a Gumbie Cat
That's what makes a Gumbie Cat! 
ガンビーという猫のことを思い出すよ
彼女の名前はジェニエニドッツ
縞模様に虎縞とひょう模様の入った毛皮の猫。
日がな一日、階段や段差や敷物の上に
座って座って座って座り続けて…
それがガンビーの全てなんだ。
それがガンビーの全てなのさ!

But . . .
When the day's hustle and bustle is done
Then the Gumbie Cat's work is but hardly begun
And when all the family's in bed and asleep
She tucks up her skirts to the basement to creep
She is deeply concerned with the ways of the mice
Their behaviour's not good and their manners not nice
So when she has got them lined up on the matting
She teaches them music, crocheting and tatting 
でもね…
忙しく過ぎる一日、その喧噪が続く内は
ガンビーの仕事は始まらないの。
そして家族がベッドに入って寝静まったら
彼女はスカートをまくり上げて地下室へそっと入って行く。
ネズミ達の行儀の悪い振る舞いを、彼女は深く憂慮しているのよ。
「お行儀は良くないし、マナーもなっていないからね!」
そしてネズミ達をマットの上に一列に並べて
音楽とかぎ針編みタティングレース編みを教えるの。

I have a Gumbie Cat in mind
Her name is Jennyanydots
The curtain cord she likes to wind and tie it into sailor knots
She sits upon the windowsill or anything that's smooth and flat
She sits and sits and sits and sits
And that's what makes a Gumbie Cat
That's what makes a Gumbie Cat!
ガンビーという猫のことを思い出すよ
彼女の名前はジェニエニドッツ
カーテンの紐に巻き付くのが好きで、固結びに結んでしまう。
いつも座っているのさ、窓枠の上や、スベスベして平らな場所ならどこにでも。
座って座って座って座り続けて…
それがガンビーの全てなんだ。
それがガンビーの全てなのさ!
 
But . . .
When the day's hustle and bustle is done
Then the Gumbie Cat's work is but hardly begun
She thinks that the cockroaches need employment
To prevent them from idle and wanton destroyment
So she's formed from that lot of disorderly louts
A troop of well disciplined helpful boy scouts
With a purpose in life and a good deed to do
And she's even created a Beetles tap too! 
でもね…
忙しく過ぎる一日、その喧噪が続く内は
ガンビーの仕事は始まらないの。
彼女は、怠け癖や手当たり次第な破壊衝動を抑える為にも
「ゴキブリには雇用が必要だ!」って考えているの。
だから、あの手に負えない無骨な奴らを集めて
規律正しい有能なボーイスカウトを編成したの。
「生き甲斐になるし、善い行いだからね!」
それどころか、ゴキブリのタップダンスさえも創ったのよ。
 
For she's a jolly good fellow! 
彼女とすばらしく善良なる同志に敬意を表して!

Thank you my dears!
「ありがとう皆さん!」
 
 

むずかしい単語・熟語の解説

in mind: (~を)考慮して、念頭に置いて
tabby: 虎猫、ぶち猫
kind: 種類
leopard: ひょう
stair: 階段の段(複数形で階段)
step: 段差(※stairは屋内の階段。stepはもっと広義で、屋外の階段とか戸口の段差も指す)
hustle: 急ぐ、てきぱきとやる
bustle: にぎわい、喧騒
hardly: ほとんど~ない
tuck: まくり上げる
basement: 地階、地下室
creep: ゆっくり近づく、忍び寄る
deeply concern: 憂慮する、心から心配する
line up: 一列に並べる
matting: 敷物
crochet: かぎ針編み
tatting: タティング編み(シャトルと呼ばれる用具で編んだレース)
cord: ひも
wind: 巻き付く
sailor's knot: 水兵結び
windowsill: 窓下の敷居
smooth: なだらかな、スベスベした、平らな
flat: 平たい、平らな、平坦な
prevent: 防ぐ
idle: 時間を無駄に過ごす、怠ける、ブラブラする
wanton: 行儀の悪い、浮かれた、ふざけた
form: ~を整列させる
disorderly: 無秩序の、乱暴な、手に負えない
lout: (軽蔑的)無骨者、ぐず、うすのろ
troop: (ボーイスカウトガールスカウトの)隊
disciplined: 統制が取れた、制御された
helpful: 役立つ、助けになる
purpose in life: 人生の目標、生き甲斐
good deed: 親切な行い、善行
jolly: 陽気な、すてきな
fellow: 仲間、同志
 

ひとこと

ミュージカル「CATS」和訳の4回目は「Old Gumbie Cat」。和訳すると「年老いたガンビーキャット」です。ガンビーとは舞台に登場する縞模様のおばさん猫の呼び名。本名はジェニエニドッツ。歌詞内ではガンビーキャット、つまりガンビー猫と呼ばれています。
 
一日中寝てばかりだけれど、夜になると、ネズミには歌と編み物、ゴキブリのボーイスカウトにはタップダンスを教える世話好き猫に早変わり。舞台でも重たい毛皮の衣装を脱いで軽快なタップを踏むのが印象的です。

ミュージカルCATS 英語歌詞和訳③ Invitation to the Jellicle Ball

Invitation to the Jellicle Ball

Jellicle Cats come out tonight
Jellicle Cats come one, come all
The Jellicle Moon is shining bright
Jellicles come to the Jellicle Ball 
Jellicle Cats come out tonight
Jellicles come to the Jellicle Ball
ジェリクルキャッツ、今宵姿を現す。
ジェリクルキャッツ、こぞって集まる。
ジェリクルムーン明るく輝き
ジェリクルはジェリクル舞踏会にやって来る。
ジェリクルキャッツ、今宵やって来る。
ジェリクル来たれり、舞踏会。

Jellicle Cats come out tonight
Jellicle Cats come one, come all
The Jellicle Moon is shinning bright
Jellicles come to the Jellicle Ball
Jellicle Cats come out tonight
Jellicle Cats come one, come all
The Jellicle Moon is shinning bright
Jellicles come to the Jellicle Ball
ジェリクルキャッツ、今宵姿を現す。
ジェリクルキャッツ、こぞって集まる。
ジェリクルムーン明るく輝き
ジェリクルはジェリクル舞踏会にやって来る。
ジェリクルキャッツ、今宵姿を現す。
ジェリクルキャッツ、こぞって集まる
ジェリクルムーン明るく輝き
ジェリクルはジェリクル舞踏会にやって来る。

Jellicle Cats meet once a year
At the Jellicle Ball where we all rejoice
And the Jellicle Leader will soon appear
And make what is known as the Jellicle Choice
When Old Deuteronomy, just before dawn, through a silence you feel you could cut with a knife
Announces the cat who can now be reborn
And come back to a different Jellicle Life
For waiting up there is the Heaviside Layer
Full of wonders one Jellicle only will see
And Jellicles ask because Jellices dare
ジェリクルキャッツは年に一度集まる
ジェリクル舞踏会を皆で祝う。
ジェリクルリーダーは間もなく現れ
そしてジェリクルの選択を行う。
オールドドュトロノミーは
夜明け前、ナイフで切ってしまえそうな静寂の中で宣言するのだ。
今まさに生まれ変わることを許され
遙かなる天上の世界へと昇り
そして新しいジェリクルとして再生する、その猫を。
奇跡の数々を目にするのは、ただ一匹の猫だけ。
ジェリクルの勇気をもって、ジェリクルは問おう…

Who will it be?
Who will it be?
それは誰だろう?
 
 

むずかしい単語・熟語の解説

come out: 姿を現す、外へ出る、出かける
ball: 舞踏会
rejoice: 喜ぶ、祝う
dare: (思い切って、大胆にも)~する
 

ひとこと

ミュージカル「CATS」和訳の3回目は「Invitation to the Jellicle Ball」。和訳すると「ジェリクル舞踏会への招待」です。
 
ジェリクルと呼ばれる猫達は年に一度舞踏会に集まります。その目的は、天上の世界へ昇り、新しいジェリクルキャットとして生まれ変わる一匹の猫を決める事。猫達は舞踏会で、我こそが最もふさわしい!とアピールするのです。つまりこのミュージカルではほとんどの時間、猫達のアピール合戦を観賞することになる訳です笑
 
我々日本人には輪廻転生の考えがあるので、猫が生まれ変わると言われてもなんとなく理解する事が出来ます。しかしこのミュージカルが生まれた英国等、キリスト教文化圏では全く異なる感覚の様です。なぜならキリスト教では、人間以外の動物が天上へ昇り、ましてや蘇るだなんてあり得ない!からです。
 
ざっくり言うとキリスト教では、人間は死んだ後、その魂は天上にいる神の御許に昇り、神と共に時を過ごし、そして最後の審判の日に蘇ります。この蘇りに必要なため肉体は火葬せずに土葬する慣習になっているのです。しかしこれは人間に限った話。猫や犬などの動物には魂が無いので、神の御許に昇ることもなく、ましてや蘇ることもないとされています。
 
そのことを念頭に置くと、天上の世界へ昇り生まれ変わる猫という存在が、いかにあり得ないか。そしてそれが猫にとってどれだけすごい事か、何となく理解出来るのではないでしょうか。
 
ちなみにこのキャッツは1981年にロンドンで初演されましたが、人間役が全く出てこない上に猫が天国へ昇る(しかも娼婦が!)という内容の為に大変な戸惑いをもって受け止められたとのこと。文化的な背景が違うと同じ作品に対する感想も大きく変わってくるんですね。

ミュージカルCATS 英語歌詞和訳② Naming of Cats

Naming of Cats

 
The naming of cats is a difficult matter
It isn't just one of your holiday games
You may think at first I'm as mad as a hatter
When I tell you a cat must have three different names
猫に名前をつけるのはとても難しいことなのだ。
休日の手慰みの一つなどでは無い。
あなたはきっと、私が帽子屋の様に気が狂ったと思うだろう
私が「猫は3つの違う名前を持たなくてはならない」と言ったならば。

First of all, there's the name that the family use daily
Such as Peter, Augustus, Alonzo or James
Such as Victor or Jonathan, George or Bill Bailey
All of them sensible, everyday names 
まず最初の名前、家族が毎日使う名前。
例えばピーターやオーガスタス、アロンゾやジェームス。
例えばビクターやジョナサン、ジョージやビル・ベイリー。
どれも実用的で、ありふれた名前。

There are fancier names if you think they sound sweeter
Some for the gentlemen, some for the dames
Such as Plato, Admetus, Electra, Demeter
But all of them sensible everyday names 
より素敵な響きの名前がお好みなら、もっと洒落た名前もある。
紳士向きの名前や、高貴なご婦人向けの名前。
例えばプレイトー、アドメートス、エレクトラ、ディミータ。
でもこれらも実用的で、ありふれた名前。

But I tell you a cat needs a name that's particular
A name that's peculiar, and more dignified
Else how can he keep up his tail perpendicular
Or spread out his whiskers, or cherish his pride? 
猫はもっと個性的な名前を必要としているのだ
世界に一つにしか無い、もっと威厳のある名前が。
さもなければ猫はどうして尻尾をピンと立て
ヒゲを膨らませ、誇りを胸に抱くことが出来ようか。

Of names of this kind, I can give you a quorum
Such as Munkustrap, Quaxo or Coricopat
Such as Bombalurina, or else Jellylorum
Names that never belong to more than one cat 
こんな名前はどうだろう、とっておきの名前を挙げてみよう。
例えばマンカストラップ、クアクソ、コリコパット。
例えばボンバルリーナ、またはジェリーロラム。
どの猫も決してつけたことが無いただ一つの名前。

But above and beyond there's still one name left over
And that is the name that you never will guess
The name that no human research can discover
But the at himself knows, and will never confess 
しかしそれよりも更にまだ、たった一つの名前が残っている。
そしてその名前を、あなたは決して解き明かせない。
それは人間ではとても見つける事が出来ない名前。
しかし猫自身は知っていて、決して打ち明ける事はない。

When you notice a cat in profound meditation
The reason, I tell you, is always the same
His mind is engaged in a rapt contemplation
Of the thought
Of the thought
Of the thought
Of his name 
深い瞑想に沈む猫に気付いたら
教えてあげよう、その理由はいつも同じ。
彼はうっとりする様な考えにふけっているのだ
その考えとは
その考えとは
その考えとは…
自身の名前を考えているのだ

His ineffable, effable, effanineffable
Deep, and inscrutable, singular name 
えも言われぬ、言葉にできるが言葉では決して言い表せぬ
深く、計り知れない、唯一のその名前を…
 
 

むずかしい単語・熟語の解説

as mad as a hatter: 全く気が狂って、非常に怒って
sensible: 分別のある、実用にかなった
fancy: 意匠を凝らした、しゃれた、風変わりな
sweet: 心地良い、すてきな
gentlemen: 紳士
dame: 大英勲章第1位および第2位を授与された女性に対する尊称。あるいはknightまたはbaronet爵位を持つ男性の夫人およびその娘に対する敬称
Plato: 古代ギリシャの哲学者プラトン(英語ではプレイトー)
Admetas: ギリシア神話より、テッサリア地方ペライの王アドメートス
Electra: ギリシャ神話より、アガメムノンの娘エレクトラ
Demeter: ギリシャ神話より、農業の女神デメテル(英語ではディミータ)
particular: 固有の、特有の
dignified: 堂々とした、威厳のある
else: さもなければ
perpendicular: 垂直な
keep up: ~を保持する、~を維持する
spread out: 広げる
whisker: ほおのヒゲ
cherish: (アイデアなどを)温める
quorum: えり抜きの集団、選抜されたグループ
bbelong to: ~に属する、~の所有物である
above and beyond: ~に加えて、~の他に、~の上に
guess: 言い当てる、解きあてる
research: 探求、追求
confess: 告白する、打ち明ける
profound: 深遠な、難解な
meditation: 瞑想
engage: を従事させる
rapt: 熱中して、夢中で、没頭して
contemplation: 瞑想、熟考
ineffable: 言葉では言い尽くせない、言葉で言い表せない、えも言われぬ
effable: 言葉で表せる
inscrutable: 計り知れないもの
singular: 唯一の、一つだけの
 
 

ひとこと

 
「CATS」和訳の2回目は「Naming of Cats」。猫には、家族が気軽によぶ名前と、個性的な名前、そして自分しか知らない最も大事な名前という3つの名前があるんだよ、という歌です。
 
歌詞の中で、家族が毎日気軽に呼ぶ名前として挙げられているのは、ピーター、オーガスタス、アロンゾ、ジェームス、ビクター、ジョナサン、ジョージ、ビル、ベイリー、それにちょっと素敵な響きのプレイトー、アドメートス、エレクトラ、ディミータ。ちょっと素敵な響きの名前と言われている4つはどれも古代ギリシャがモチーフになった名前です。
 
個性的な名前では、マンカストラップ、クアクソ、コリコパット、ボンバルリーナ、ジェリーロラムが挙げられています。マンカストラップなど劇団四季のキャッツでも馴染みの名前が多いですが、これも実は猫の「本当の名前」ではないのですね。本当の名前はそれぞれの猫だけが知っていて、人間では見つけられないのです…。猫って時々本当に神秘的な表情をして佇んでいることがあり、こういった話にも頷けるところがあります。
 
いつもは「本当の名前」ではなく「通り名」を利用している…という内容で、世界三大ファンタジーの一つであるル・グウィンゲド戦記を思い出しました。ゲド戦記の世界では名前には強い魔力があり魔法や呪いの対象になるため、主人公ゲドは普段は「ハイタカ」という通り名を利用しているのです。また古代中国など漢字文化圏には『実名敬避俗(じつめいけいひぞく)』という慣習があり、実名を口にすることは本人の霊的人格を支配することに繋がるので親や主君にしか呼称を許さなかったそうです。名前に神秘的なものをを見いだすのは東西問わないのでしょうね。
 
うちには犬が一匹いますが、居眠りしている様を見ると足がピクピクしたり口がムニャムニャしたり、夢の中でも走るか食べるかしていて、とても名前を考えている様子じゃありません。やっぱり猫じゃ無いから仕方無いのかな。。

ミュージカルCATS 英語歌詞和訳① Prologue: Jellicle Songs for Jellicle Cats

Jellicle Songs for Jellicle Cats

Are you blind when you're born?
Can you see in the dark?
Can you look at a king? Would you sit on his throne?
Can you say of your bite that it's worse than your bark?
Are you cock of the walk when you're walking alone? 
この世に生まれた時、目は見えなかったか?
暗闇でも目は利くか?
王を見ることはできるか?王座に座った事は?
お前の一噛みは、唸り声より小さいか?
独りで歩くその時に、堂々としているか?

Because Jellicles are and Jellicles do
Jellicles do and Jellicles would
Jellicles would and Jellicles can
Jellicles can and Jellicles do 
なぜなら
ジェリクルはそうだ、ジェリクルはそうする。
ジェリクルはそうする、ジェリクルはやるだろう。
ジェリクルはやるだろう、ジェリクルは出来る。
ジェリクルは出来る、ジェリクルはそうする。

When you fall on your head, do you land on your feet?
Are you tense when you sense there's a storm in the air?
Can you find your way blind when you're lost in the street?
Do you know how to go to the Heaviside Layer? 
頭から落ちても、脚から着地できるか?
嵐の気配を感じたら感覚を研ぎ澄ませているか?
道に迷ったとしても目を瞑って帰れるか?
知っているか?遙かなる天上へと行く方法を

Because Jellicles can and Jellicles do
Jellicles do and Jellicles can
Jellicles can and Jellicles do
Jellicles do and Jellicles can
Jellicles can and Jellicles do 
なぜなら
ジェリクルは出来る、ジェリクルはそうする。
ジェリクルはそうする、ジェリクルは出来る。
ジェリクルは出来る、ジェリクルはそうする。
ジェリクルはそうする、ジェリクルは出来る。
ジェリクルは出来る、ジェリクルはそうする。

Can you ride on a broomstick to places far distant?
Familiar with candle, with book and with bell?
Were you Whittington's friend? The Pied Piper's assistant?
Have you been an alumnus of heaven or hell?
遠くにある箒の柄に跳び乗れるか?
蝋燭や本やベルに詳しいか?
ウィッティントン市長の友人だったことは?
あのハーメルンの笛吹き男の助手では?
天国や地獄を経てここに来たのか?

Are you mean like a minx?
Are you lean like a lynx?
Are you keen to be seen when you're smelling a rat?
Where you there when the pharaohs commissioned the Sphinx?
If you were and you are, you're a Jellicle Cat
娼婦の様にみすぼらしいか?
オオヤマネコの様に痩せているか?
鼠の匂いを嗅ぎつけた時、夢中になって探せるか?
ファラオがスフィンクスの制作を命じた時どこにいた?
もしお前がそうならば、お前はジェリクルキャッツなのだ。
 
Jellicle songs for Jellicle Cats
Jellicle songs for Jellicle Cats
Jellicle songs for Jellicle Cats
Jellicle songs for Jellicle Cats
Jellicle songs for Jellicle Cats 
ジェリクルキャッツのためのジェリクルソング。

We can dive through the air like a flying trapeze
We can turn double somersaults, bounce on a tire
We can run up the wall, we can swing through the trees 
We can balance on bars, we can walk on a wire 
空を舞えるさ、空中ブランコの様に。
2回転宙返りも、タイヤの上で跳ねることも。
壁を駆け上がり、木々をすり抜け
棒の上でバランスを取り、電線の上も歩けるぞ。

Jellicles can and Jellicles do
Jellicles can and Jellicles do
Jellicles can and Jellicles do
Jellicles can and Jellicles do 
ジェリクルは出来る、ジェリクルはそうする。

Jellicle songs for Jellicle Cats 
Jellicle songs for Jellicle Cats 
Jellicle songs for Jellicle Cats 
Jellicle songs for Jellicle Cats 
ジェリクルは歌う、ジェリクルキャッツのために

Can you sing at the same time in more than one key
Duets by Rossini and waltzes by Strauss
And can you (as cats do) begin with a C
That always triumphantly brings down the house 
いちどきに、いくつもの音域で歌えるか?
ロッシーニの二重唱や、シュトラウスのワルツで。
Catsという綴りの様に、Cの音から歌い始めることができるか?
あの音がいつも意気揚々と家にもたらされる様に

Jellicle cats are queen of the nights
Singing at astronomical heights
Handling pieces from the Messiah
Hallelujah, angelical choir 
ジェリクルキャッツは夜の女王
天文学的な高さで歌うよ。
メサイアをいくつか披露しよう
ハレルヤ!天使のような歌声
 
Jellicle cats are queen of the nights
Singing at astronomical heights
Handling pieces from the Messiah
Hallelujah, angelical choir 
ジェリクルキャッツは夜の女王
天文学的な高さで歌うよ。
メサイアをいくつか披露しよう
ハレルヤ!天使のような歌声

The mystical divinity of unashamed felinity
Round the cathedral rang "Vivat!"
Life to the everlasting cat!
臆面もなく猫らしい、それは超常的に神々しい
大聖堂に響き渡るよ
終わることなき猫の人生に「万歳!」

Feline, fearless, faithful and true
To others who do what 
ずる賢く、勇敢で、忠実で正直
他の何者も真似できぬ

Jellicles do and Jellicles can
Jellicles can and Jellicles do
Jellicle Cats sing Jellicle chants
Jellicles old and Jellicles new
Jellicle song and Jellicle dance 
ジェリクルはそうする、ジェリクルは出来る。
ジェリクルは出来る、ジェリクルはそうする。
ジェリクルキャッツは歌う、ジェリクルの聖歌を。
ジェリクルは年寄り、ジェリクルは若い。
ジェリクルは歌う、ジェリクルは踊る

Jellicle songs for Jellicle Cats 
Jellicle songs for Jellicle Cats 
Jellicle songs for Jellicle Cats 
Jellicle songs for Jellicle Cats 
ジェリクルは歌う、ジェリクルキャッツのために

Practical cats, dramatical cats
Pragmatical cats, fanatical cats
Oratorical cats, delphioracle cats
Skeptical cats, dispeptical cats
Romantical cats, pedantical cats
Critical cats, parasitical cats
Allegorical cats, metaphorical cats
Statistical cats and mystical cats
Political cats, hypocritical cats
Clerical cats, hysterical cats
Cynical cats, rabbinical cats 
現実的な猫、演劇的な猫
実践的な猫、熱狂的な猫
雄弁家の猫、神秘的な猫
懐疑的な猫、卑劣な猫
ロマンティック猫、知ったかぶり猫
批評家の猫、おべっか猫
寓話好き猫、比喩的な猫
統計的な猫、超常的な猫
政治的な猫、偽善的な猫
聖職者の猫、ヒステリック猫
ひねくれ猫、ユダヤの猫

Jellicle songs for Jellicle Cats
Jellicle songs for Jellicle Cats
Jellicle songs for Jellicle Cats
Jellicle songs for Jellicle Cats
Jellicle songs for Jellicle Cats
ジェリクルは歌う、ジェリクルキャッツのために
 

There's a man over there with a look of surprise,
As much as to say, "Well now how about that!"
Do I actually see with my own very eyes
A man who's not heard of a Jellicle Cat?
そこに人間がいるぞ!驚いた顔をしている
「これはいったいどうした事だ」と言わんばかりに。
分かるだろうか、自分自身のその眼で見れば
ジェリクルキャッツを知らないのか?
 
What's a Jellicle cat?
What's a Jellicle cat?
ジェリクルキャッツとは何だろう?
  

むずかしい単語

throne: 王座
bite: ひとかじり
worse than: ~よりも劣っている
bark: 吠える声
cock of the walk: お山の大将、ボス(直訳:鶏が入っている囲いの中で最強のおんどり)
tense: 緊張した、引き締まった
sense: ~を感知する、~に気付く
broomstick: ほうきの柄
place: 置く
familiar with: ~を熟知している
Whittington: 英国の有名な昔話に出てくる、ロンドン市長ウィットティントン氏
Pied Piper: ハーメルンの笛吹き男、パイド・パイパー
alumnus: 同窓生
mean: みすぼらしい
minx: 淫売、おてんば娘
lean: ぜい肉の取れた、痩せた
lynx: 大山猫
keen: 鋭敏な
pharaohs: ファラオ、(古代エジプトの)専制君主
commission: 依頼する
trapeze: 空中ぶらんこ
somersault: サマーソルト、宙返り
bounce: 跳ねる
tire: タイヤ
swing through: 通り抜ける
Rossini: イタリアの作曲家ロッシーニ。クレッシェンドを多用するオペラで有名
Strauss: オーストリアの作曲家シュトラウス2世。華やかなウインナー・ワルツで有名。
triumphantly: 勝ち誇って、得意満面で
bring down: (災難・罪・厄介などを)もたらす
queen of the nights: モーツァルトが作曲したオペラ魔笛に登場する役名、夜の女王。高い音を技巧的に駆使するアリアで名高い。
astronomical: 天文学的な、桁外れに大きな
handle: 扱う、操縦する
piece: 曲
Messiah: ヘンデルが作曲したオラトリオ(聖譚曲)の曲名、メサイア
angelical: 天使のような
choir: 聖歌隊
mystical: 超常的な、理解しがたい
divinity: 神々しさ
unashamed: 外見をはばからない、あからさまな
felinity: 猫らしさ、猫の性質
round: 一周する
cathedral: カトリックの大聖堂
rang: ringのベルが鳴る
vivat: (ラテン語で)万歳
everlasting: 永遠の
feline: 猫の様に狡猾な、ずるい
fearless: 怖いもの知らずの、勇敢な、大胆不敵の
faithful: 信頼できる、誠実な
true: 正確な、忠実な
chant: 聖歌
Practical: 実際に役立つ、現実的な
dramatically: 演劇的な
pragmatical: 実践的な
fanatical: 熱狂的な
oratorical: 雄弁家の
delphioracle=delphic oracle: 古代ギリシャの風習、デルフォイ神託
skeptical: 懐疑的な、疑い深い
dispeptical: despicable(見下げはてた、卑劣な)か?
pedantical: 学者ぶった、物知り顔の
critical: 批評の、酷評的な
parasitical: 寄生性の、おべっかを使う
allegorical: 寓話的な
metaphorical: 比喩的な
statistical: 統計上の
political: 政治に関わる
hypocritical: 偽善的な
clerical: 聖職者の
hysterical: ヒステリックな
cynical: シニカルな、ひねくれた
rabbinical: ユダヤ教徒
as much as to say: ~とでも言いたげに、言わんばかりに
actually: 実際のところは

 

ひとこと

今回からは、英国ミュージカルの金字塔、日本では劇団四季版でおなじみの「CATS」の和訳にチャレンジしてみます。1回目は「Prologue: Jellicle Songs for Jellicle Cats」 。
 
難解な単語や抽象的な言い回し、韻を踏んだフレーズが多く、とても難しい歌詞です。上の訳も力業でねじ伏せた感じ。。英語だと韻を踏んでとても美しい言い回しですが、「どんなことが書いてあるのかの理解」を重視した和訳ということで、不自然な日本語になっていることをご容赦下さい。
 
想像以上に劇団四季の日本語歌詞と内容が違ってびっくりしました。劇団四季版は、韻を踏んで覚えやすいし、歌いやすく、わたしはとても好きな歌詞。ただ、1つの"音"に乗せられる単語数は英語より日本語の方が圧倒的に少ないので、内容的には薄くなってしまうのがデメリットですね。これはこの歌詞に限らず日本語版のミュージカル全てに言えることですが…。
 
例えば英語では
Are you mean like a minx?
Are you lean like a lynx?
Are you keen to be seen when you're smelling a rat?
Where you there when the pharaohs commissioned the Sphinx?
If you were and you are, you're a Jellicle Cat
という部分。
これを素直に日本語に訳すと
娼婦の様にみすぼらしいか?
オオヤマネコの様に痩せているか?
鼠の匂いを嗅ぎつけた時、夢中になって探せるか?
ファラオがスフィンクスの制作を命じた時どこにいた?
もしお前がそうならば、お前はジェリクルキャッツなのだ。
となるのですが
劇団四季版の歌詞だと
みすぼらしくやせていても
するどい鼻、きびしい目が
何もかもを見ぬいている
お前こそが、そうジェリクルキャッツ
 
と、かなりシンプルな表現になっています。うーん、奥が深い。
 
ミュージカルの肝である「ジェリクルキャッツ」という言葉も、和訳するのが難しい言葉です。この詩を書いたエリオット氏の造語で、Jewelry(宝石)とMiracle(魔法)という単語を組み合わせた単語なのだそうですが、直訳すると「キラキラ魔法ネコちゃん」…?日本語だと可愛らしすぎて猫達に嫌がられそう。
ここでは四季の例にならい、単数形と複数形もすべてまとめて「ジェリクルキャッツ」と書きました。略称は「ジェリクル」です。
 
上記の英語歌詞はAll Musicalsからお借りしました。